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黄色が
道路いっぱいに敷き詰められ、
あるいは空を、おおいに舞っている
いまのわたしには
まるで黄金の小判か何かのように見える、
おびただしい黄色のそれは、
墓地にある大銀杏の葉
*
Uターンして墓地へ
祖父の墓があるから参ろう
イヤー絨毯のごとき黄金の小判、
全部かき集めて小判をベッドにして寝るの図、、、
と、縁起かつぎに空想したが
寝ている人物はわたしでなく、
なぜかどうしても麻生首相の顔になる
小判のベッドの似合う顔つきというのがあるもんだ
*
手桶に水を汲み、杉並木を寒々と抜けると墓
ビッシャラバッシャラと石に水を打ち、
「 なんまいだー、
有縁の死者霊全員とわたしに、
小判のひかりを 」
と吟じて
寒いのでさっさと立ち去った
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この翌日、
いきなり白い嵐のような大雪が降って、
上記のごとき、
季節を満たした黄色群も、いちどにすべて白くなった
それはもうたいへんな降りで、
こんな夜に
誰も来るお客などない、
と踏んだ店主の店で食事
郊外まで帰れないほどの白い夜を、楽しんだ
外で猫が震えている
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先日、札幌は北海道庁へも行った
赤レンガの中に入りたかったのに、
使われているのは、
暗い要塞みたいなつまらない建築物のほうだ、
ということを知らなかった
*
庁外にてランチに招待してくれたのは
函館を去って現在は道庁企画振興部でボスを張るN氏
来年、函館が迎える開港150周年の意義たるは
函館だけの問題ではなく、
津軽海峡対岸の青森・大間も含め、
さらには北海道の入り口としての開港ですよねとして、
函館市は北海道になにか求めているか、
北海道は函館市にどんな期待をしているのか訊いた
その他の話題も積もってあった
白木のカウンタで立ち上がらんばかりに、
累積した意見とアイディアと怒りとを発露したら
ぜんぜん止まらなくなって、
セコンドがいたらタオル投げられそうだった
*
例によって
始終ニコニコしたり、
クスクス笑ったりしながら耳をかたむける、
氏の、書生さんみたいな笑顔に
わたしの獰猛さは吸収される
吸収してくださるな、
わたしは怒り足りないの
たとえばだ、、、
・・・・ 否、かような内容をおおやけで触れると
こないだみたいに副市長に怒られるのでやめる
わたしは随分、あちこちで怒られるもんだ
*
ムーミン谷に、ミィという小さな生き物がいる
彼女のアイデンティティはこうだ
「 あたしはいつも、
すこぶる機嫌がいいか、ものすごく怒っているか、
そのどちらかよ!! 」
わたしの場合はそれに付け足して、
すこぶる機嫌がいいか、ものすごく怒っているか、
ものすごく怒られているか、のいずれかだ
しかしながらわたしの座右の銘は、
『 中庸 』
( 文句あるか )
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