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ああこの朝日の
すさまじい照射がわたしを活かし
街のすみずみを活かす
毎日というのはこのように
太陽に由来するすべての呼吸のことだ
*
過日まで
2週間くらい続けてやすみなく
夕方の天気ニュースを見たとおもわれるあとに
「 まだ、毛布と、厚い布団を掛けて寝なさい、
あんたは東京のひとだから、このような北国の、
長く厳しい季節を知らないとおもうけど、
まあビックリしなさるな 」
というような内容の、おもしろい電話が祖母から
連日かかってきていたのがちょうど
おさまるとともに、
容赦のないビームをふんだんに溢れさせて、
ようやくあたたかい朝が来始めたのだった
わたしは獣のように朝日をむさぼった
春だ
*
サクセンカイギ社は現在、
あらたにポートフォリオを充実させるべく、
デザインワークを中心に業務開拓中
日夜、髪の毛を振り乱して、
あれこれの、
ロゴマークやポスターやホームページや
印刷物などなど、
デザインと制作業務に取り組みつつ、
静かにギラギラしています
文字を描いたり、
絵を描いたり、
タイポグラフに何度も触れたり、
配置したり、
切ったり貼ったり、
くっつけたり離したり、
これらの行為へとのめりこむ感覚に
じぶんの心身が助けられる
*
夜 - 、
なにも聞こえない無音の部屋、
もう長いこと
音がいらなくなって久しく経った
ほんとうに久しぶりに
ラジオのスイッチを入れると、
奇跡的に抑制の効いた声につづいて静かな鍵盤音
微細な音が室内に流れて、
まるで血管に
さあっと新鮮な血が充ち出したように感じた
*
少しずつ、生き返る
わたしはこの1年間で、ひどく年を取った気がするのと
なにかが、大きく変わりつつあるのを感ずるのとで
いつも額のところにあった眼のようなものが、
ものすごく違和感を伴って、見えない
・・・ と同時にいっぽう、
なにかもっと奥のほうにある、
別のなにかが、
とてもヴィヴィッドに反応して来、
わたしは深いところに沈潜するような
無表情かつ無音の感覚と、
芯から強く反応して極彩色の光を放つ強烈な感触とを、
いま同時に所有している気配がして
たいへん穏やかに、興奮しているのです
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