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東京は今、
沈丁花と木蓮の香気に満つる
いと うるはしい季節
*
( ・・・ テレマークスキー?なにソレ? )
なあんて軽装で
ポエムを吟じながらフワフワと
並木の道を浮かれ足
*
数日来の冷たい雨が続いて
そして先日の東京の気温は零度、
渋谷は道玄坂あたりで雨が雪になった
あら冬じゃないの、、、
函館にいるときみたいに身近でスキーができない限り、
ただ交通が麻痺するばっかりで
雪もありがたくなんか、ねえね
*
とおもったら翌日の気温が
まさしく春としての15℃、だとラジオが云った
だから翌日は半袖を着て春を待機していたが
ちっとも15℃までなど上がらずに、
なんだ寒いじゃないの、
とおもっているうちにそろそろこのあたり、
温かくなって来、、
温かくなりすぎて足取りも軽くなった、
、、、、と書こうとおもっているとまた寒くなり、
なんだまた寒くなったとおもっていると
*
いよいよもってきのう今日あたり、
21℃、てなことになって
満を持して
車窓全開で
快晴の、首都高速湾岸道路を走った
いよいよもって春だし
テレマークスキーのことは完全に、忘れた
、、、とおもっていると
今朝はいやに寒いことに
3℃からスタートして11℃マックス、
函館からはまだ雪だと報告がきた
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< 気がついた点 : >
・ すべてのチャートとはデコボコするものだ
・ まだテレマークスキーをあきらめない
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このあいだ
千葉に住む伯父が死んだので焼いて骨にした
※ あまりにイケメンであることと、
大昔に離婚済みの旧奥様と娘にナントカの権利がある、
ということで、
どこに存在しているか知らないそのふたりを捜索し、
伯父の死を知らせなければならない、
この2つの理由から、写真をアップする
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骨にしたあと
係のひとが、
恒例の解剖学の説明をし、
これがノドボトケですと云った
もう人さまのノドボトケなんぞいくつも見ているくせに
故人の妹である母と伯母とは、
「 エエエッ!? これがノドボトケ!!
まあ本当ですわねえ!あら合掌している!!
あらマアアアアッ!!ノドボトケですって!!
ホラホラホラ!!アラァ~~!! ヘエエエ!!
ノ~ド~ボ~ト~ケ~!! 」
とばかのように大仰に感嘆しまくっているのは
きっと係のひとのテンションを上げ、
その場を盛り上げるためだろうとおもう
このひとたちの周囲は、つねに盛り上がっている
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その御骨を積んで
数日中に東北道を車で運び、
函館に届ける役目になったわたしである
骨を運ぶとは、詩のようでなんとなくカッコイイ
- と感じながら、
スターバックスのドライヴスルーに寄って、
夕陽の稲毛海岸を散歩した
*
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神田から御茶ノ水、神保町 -
なつかしい学生街をあるく
ジプシー古書店を覗くと、、
入谷でファンキーモンキーな僧侶職をしている、
ボクサー兼、短歌絶叫師の、
ヤスキ氏という人物が
東京の下町のことを書いた古本が1冊、
棚にまぎれてあったのを安く発見したので救出し、
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狭い路地をゆき、古いタンゴの店に寄って
外国のビールと温野菜とをオーダーし、
レコードの回る音を聴いていた
向こうのテーブルのビジネスマンカップルが
アンニュイなボヘミアンの二人に見える
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昔、よくここへ来ては
神保町で買ったばかりの古本を読んだ
だから古い本はいつもタンゴの薫りがする
各テーブルのお客がみんなボヘミアンで
いまどんな人生を送っているかを空想するのに
打ってつけだった
経営が変わったので
昔よりレコードの音が低いけれども
気分が、アルゼンチンまたは東欧に飛んだところで
ヤスキ氏の本から東京の下町噺も加わって
頭のなかがほどよくコンフュージョン
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このひとのまわりで、
たこ八郎氏やら中上健次やらこないだ死んだ立松ワッペさんやら
自殺した政治家やら寺山修司やら学園紛争の誰やら其やら
唐さんやらを、リアルな存在として知った、
当時10代末期のわたしの頭のなかを
クレイジーに縦横無尽に噴出するパワフルなイメージ群の活況が
このときいきなりよみがえり、
じぶんがすごく年をとったことに気がついた
*
なにかこう、
ハッとして
こうしてはいられないとおもって席をたつ
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