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岐阜だ
ここは 『 岐阜 』
・・・ ギフ
ヘンな名前
なににおいて 『 岐 』 で、なににおいて 『 阜 』 なのか
新幹線の中で何十回も反芻した
『 ギフ 』
ストリップダンサーを探し暮れていたら
岐阜までやって来た
*
2007.9.23.予定
函館旧花街・大門へのオマージュ
【 一夜限りのグランド・キャバレーの灯 】
閉め切って置いてきたあの廃墟、
ひっそりと待っている、その呼吸がわかる
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丸の内周辺でアチコチ用を済ませてから
余裕をもって新幹線をまつ
上機嫌でおみやげを2ツも買ったりなんかして
ミカマドカ
あなたはミカマドカを知っているか
*
ミカマドカに会うのと
ちょうど、もはやウンザリし始めていた東京を離れるのとで
またわたしの好きな途上をあじわえることに
嬉々として
新幹線のしづかな車両にすわり
フットレストをくるりとひっくり返して脚の短いひと用の長さにセットし
壁に埋め込まれているフックを
その必要もないのにひっぱり出してわざわざショールを掛けたりして
( これは前の席のひとのを真似した )
テーブルを出し、マズイとわかっている珈琲を買い、
リクライニングシートを倒したり起こしたりし、
とにかく乗客にゆるされている、
あらゆる付帯サーヴィスを利用してやった
*
近ごろ、
あまりにヘヴィに忙しかったから
ようやくここで、
3時間ほどの完全なるヒマを喫そうとおもっていたが、
シートに座ってじきに
連結部分へと立つことになる
レビューショーダンサーのプロダクションと電話で話し、
ちょうど、ながい期間にわたった市議会が終わる日かとおもい、
函館の消防本部へも、ある作戦があって電話した
さらに、函館からラジオ出演の話が2件きた
窓外の景色がどこの都市も同じであることに憤り、
すべての都市での建築条例を、
こうしたらいいのにとかああすればよいのにとか
興奮したり腹が立ったりして
かように
まったくもってヒマでなかったうちに名古屋へ着いて
さらに岐阜へと続けた
*
ミカマドカ
( 名前を露出してよいか訊いたらOKをくだすったので
もう何度でも出す )
” 気風のイイ女 ”
彼女へのわたしの評だ
*
東京から札幌へ電話し、
TK氏に話したところ出てきたのが
< 伝説のアイドルストリッパー・美加マドカ >
現役ではないが彼女に会えと
云われてすぐに電話し、
来週にでも、と約束してみたが時間は取れそうもないし、
急ぐし、じゃあ明日にしちまおうと予定を変えた
*
マユツバだの不可能だの夢物語だのあり得ないだの
無理だの自己満足だのウサン臭せぇだの無意味だの
採算だのワカラナイだの理解不能だの
採算だの採算だの採算だのッて
男たちからの多くの言葉に慣れていたわたしに
電話口で見知らぬ彼女、
「 あんたそれをやる運命なのね 」 と片付けた
・・・ すこぶる話が早い
だからわたしも早く行く
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岐阜は三方を河に囲まれて、
一方は山だ
地の理がとっても優しくて、
どこを眺めても街路樹が伸びて河の気配がする
女の子がみんなキレイな上に優しい
土地がどんなにかつての繁栄をうしなっても
地面に染み付いた記憶や指紋のようなものは
語るのをやめない
ここも、そういう街だ
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