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仕事のアポがあり、
陽気がよかったのでたのしくて、
車をよして電車で出かけた。
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桜も咲いて東京は春、
街はキレイな女の子でいっぱい。
車窓、
東京で見る花はどれも
いちいち気狂いじみていて好きだ。
菜の花の黄地獄、
梅雨の紫陽花に夏の曼珠紗華。
どれも強烈な色をして、
異常なほどの群を成して揺れるのを
かつて中央線の車窓から
たいていは
陰鬱なというか暗澹としてというか、
分裂じみた気分で眺めた。
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まとめるべきことがあって
帰りがけに立ち寄った古いジャズ喫茶、
ハイネケンをオーダーし、
その花みたいに薫る緑の瓶をあおった。
鳴っているのは
W.ケリーの青いヤツ。
壁のJBLのほうへ身体を思いきり傾けて聴く
このときに
向こうの席からジェントルメンズの談話が聞こえるが
こういう場所での会話は
内容が音楽やジャズやそのルーツや音響システムやその他、
あるいは 「 いやディジーがさあ、 」
などという具合に( プッ、というかオエッというか )
まぁそんな風に、
たとえ切れ切れに会話が聞こえてきても
そう気に障るものではなくむしろ 『 痛気持ちイイ 』 場合があって
わたしは音楽を聴き、
一方で本を読み、
また一方で会話を聞く、
というまさしくポリリズムな脳を生かして活性する。
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帰路、
ものすごくおいしそうなカンパーニュを見つけたので購入、
今夜はアクアパッツァか何か作ろう。
ワインと鴨も買った。
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コマヤ氏 から
彼が名付けたアブストラクトという某メディア作品、
彼渾身の編集によるものだが、
リクエストしておいたのが今日届いたsanx。
これは何、シングルCDかな、
とおもったらMDと書いてあって、
果たしてこれは専用プレイヤが必要?
デスカ?
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最近読んだ本のなかで
レコードプレイヤーがないので拾ったLPを聴けないまま温存、
15年間目にようやく入手したプレイヤで、それを恭しく聴く 。
- というのを目にしたばかりであったから
それもロマンティクだとおもい、
ちょっと誰かに頼るのをよしてしばらく温存しようとおもった。
【 最新かつ、今世紀最高の出来 】 と
コマヤ氏本人が自筆ライナーノーツで謳ってある。
これを聴かずに持っているというのは、
とってもうっとりするようなマゾヒスムを感じ、
なんだかドキドキした。
彼が黙って笑っているみたいだ。
うれしいな。
毎日持ち歩こうとおもう。
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同時に、
注文していたマイルスの10枚組が届いた。