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featuring Yourneck
ヨネキのこと、だらだら話す。
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彼とはほとんど会話らしい会話を
しているかどうかわからない。
イェイな何かを共有できることだけが確かなら、
言葉のやりとりがほとんど重要でないとおもえるようなひとりだ。
もっとも彼の行使する言語は、音楽で
ここに身を浸せるならすべてわかる。
とはいえ彼が喋るなら、
( ああして独特な感じに )
ほんのささいな言葉がいちいち、
とんでもなく色っぽく残る。
何年も前の言葉を、その空気までいっしょにすべて、
覚えている。
マイルスの、エロくてばかばかしいエピソード。
ジョージ川口の、豪傑な冗談語録。
天体の話。
旅先で聴いた、D.サンボーンのアルトのこと。
長い髪のあいだから、やけに明快な声で話す、
眉間に深い皺をともなったまま、笑う。
- ヨネキ。
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バルトでいきなりおこなったセッションの翌日
彼とその、かわいいかわいいウッドベースを乗せて、
夕暮れの流山温泉へ。
助手席から後ろへ横たわった裸のベースの弦を
ヨネキが後ろにいてはじくともなくはじくと、
それが核心の、あの魔の音。 魔ノート。
わたしの心臓を止める音。
至近距離で、my back pages 導入。
- ねえこの音、なんて名前?
- このゴキゲンな音は、さちよという名前。
いやそのほら、ツェーとかエフシャープとか。
そういうのが知りたいんだけどいいや知らなくて。
そういうことなら。
わたし猿みたいに
ひたすらこの音ばっかり聴いて過ごしたいよ。
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温泉のあと、
セカンドファミリーのところでフィレ・ステーキ食べよう、といって
レストラン・ワンデールのアプローチにわざと、
ひどくモードな感じでナナメに車を停めて
ハローといって席につく。
ヨネキを見て彼ら、最大限に喜んでくれた。
前夜のバルトでのヤンヤヤンヤ。
プピーユを一本オーダーするからさ、
夫妻も一緒にテーブルに着いてよ、といって
店内のテーブルをわざと、
ひどくモードな感じでナナメにくっつけたのを、
すばらしく意外で落ち着く、と喜び合いながら飲んだが、
いつの間にかワインは何本もテーブルの上で空瓶になった。
店はさっさと閉めた。
ヨネキが車にベースを取りにゆき、
ソロが始まったので、きのうのカルロスも呼び出したら
ギターとアンプを持ってすぐに飛んで来た。
いきなりのゲリラ・セッション。
- ヤバいなあ、ありがたかった昨夜より、もっとイイ!
これはもったいないとおもい、
急いで近所のフットワークの軽そうなひとびとに声をかけると
ふたりがやってきた。
けれどもセッションが深まるにつれ、
ジャズは - 、否音楽は、何人が聴くかではなくて、
誰が聴くかで決まると思い至り、メールをよして没頭した。
*
その真夜中、
闇の氷上のワカサギ小屋まで行って天体観測。
プレアデス星団にヒヤデス星団、
書いとかなくちゃわたし忘れるから
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翌日の晩、ふたたび彼を迎えにゆくと
またベースを積もうかと云ってくれたヨネキに
うん勿論と答えると
昨日とおなじように裸のベースが隣に横たわった。
ねえきっと彼、ヨネキに会いたいとおもうから顔出そう、
といって,コマヤ氏の店の前で車をナナメに停める。
彼がヨネキを見てびっくり笑いをしたので
ねえ今から上の店に行こうよ、と云った。
口が勝手に。
わたしは知らない。
彼は1秒考えて、
【 本日休みマス 】 と紙に書いてドアに貼った。
ベースとヨネキとコマヤ氏とが詰め込まれた愉快な車で、
坂道をのぼり、I 氏の店へ。
*
まるで子供みたいに
声をあげて手をたたいて小躍りしてくれる I 夫妻。
いいノリ。
そしてしあわせの、ゲリラ・セッション。
そしてこれまでで、やっぱりいちばんゴキゲン。
そう、またアブサン飲んだね。
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さっちんと
さっちんのリラックスする仲間のためにこの3days 、
全部見せたよ俺を。
たまにはいいよな
Yeah,
長いアフターアワーズ。
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トリノ、
佐々木明君が残念でもう寝るわ。