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行こう、とおもって朝、
ただちに TBC( 体育武道センター ) へゆく
東京の昼間はまだ暑い
身体を、函館と切り替える
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このトレーニング室にはトレッドミルがなくて、
ランをやるひとは外のグラウンドか、
体育館内の2階ギャラリを走ることになっている
この日、
眼下の体育館フロアでは剣道大会がおこなわれ、
猛烈な叫び声が闘わされていて騒がしかったが、
その、小さなライオンどもみたいな激しい戦いの声によって
わたしの闘争本能にまで火がつく気がし、
しぜんに脚が軽く跳躍していきなり猛スピードで走りだした、
まるで短距離走みたいに
世界恐慌も環境も選挙も、どうでもいい
ライオン達の声の中で、そこはわたしのサヴァンナだった
*
ギャラリの高さから
垂れ幕がいくつも下がっているのが見える
” 克己 ”
・・・ ヨシ。
次のコーナーへ差し掛かると
” 執念 ”
・・・ ヨシ。
次。
” 乾坤一擲 ”
ヨシ。 、、、、ていうかギョ、だ
こんな言葉を小さな子たちがすでに学んでいたとは、
剣道ってかっこいい
これらの垂れ幕のみならず、
ビシバシという激しい打突音がつづくなかで、
彼らの動物的威嚇的雄叫びが延々と応酬される
これに対して
彼らと同じフロアで見守る親ライオンたちの叫び声もスゴイ
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すっかりわたしの煽動効果音となってくれた叫喚に心舞い上がって
いつになく凄いスピードで前に進むわたしは
非常に調子に乗ってまったく有頂天だった、これなら、
ホノルルも夢じゃないなあ! ワッハッハ!!
といって、22周を数えたところでイキナリ疲れてやめた
えーと何キロ走破したろうか? というと、、、
( 約3キロ弱... )
ウッ 短!
・・・ まあ、、あとは筋トレで、、、
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「 あんたそれにしてもよっく食ってたわねえ!
あたしの歌ってる真ン前で!
それも肉!
ナイフとフォークでガシガシ!!
きょう、きっと身体動かした日なんだろうねえ? 」
「 よう見とるなあ、客席を、えりちゃんは!
あんなスゴク歌っとるのに 」
「 だってあたしの目の前の席だわよ 」
・・・・ なんどもなんども、
フォークとナイフで肉を喰らうわたしの真似を
彼女のパートナーであるところの北さんに激しく示しながら、
歌手の大野えりさんが云うのが死ぬほどおかしかったので、
それは失礼、と云うのを忘れてゲラゲラ笑った
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さっそくその夜のうちに
筋肉各部位に、朝の筋トレ由来の筋肉痛が起き、
笑うと腹筋も痛くて、調子イイ
この日はランも筋トレも、すばらしかった、
午後のお客様まわりもまあまあよかった、そして夜、
青山のジャズクラブで
今、乗りに乗っている大野えりGのプレイを聴く
*
夜ご飯はゼッタイにこの店で肉を食おう! と
朝のトレーニングから決めていたので、
カウンタについてすぐにペリエと、ピクルスと、
マデイラ酒のかかった肉をオーダーした
肉を喰らっているヒマなどないくらいに
始まってみると全員すごいプレイだったわけだけれども、
なんたって筋肉サマサマ、のわたしは嬉々としてむさぼったよ、肉を
彼女の、よく鳴ってる声と、行き届いたビートと、
心と技とがナチュラルにすごい厚みを成すサウンド感と、
二本の老若の天才ギターと、
( しかもこの日、秋山さんが歌ったよ!ヒュー! )
それと大好きなグレート・ファニー・ドラムスのダイリキ氏
彼女の未発表曲、東京ブルーズ
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しあわせだった、
ああわたしたちには音楽があった! と打ち震えて深呼吸
いま!社会は!!
ありとあらゆるものが露出されているが
すべてはひとつの膿だ
今こそ我々に意義があるってえのに、街じゅう、どの大人も、
暗いったらなかった、息苦しいね
ああブルーズが落ちてくる
- 音楽!!もっと音楽!!
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えりさん&北さんのぺアと
来年の企画、【 青函帯2009 】 についての打ち合わせ
別れ際にもえりさんがしつこく
ナイフとフォークで肉に喰らいつくわたしの真似をする
すごくおかしくてまたゲラゲラ笑って
彼らの感度とスピード感も心地がいい
わたしは函館滞在で
たぶんスピードに、こころから飢えたのだとおもう
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夜の東京、六本木通りのさかんな夜間工事
そしてその渋滞、その騒音、
煌々と眩し過ぎる夜の街灯り
恐慌も環境も選挙も厄年もどうでもいい、
よくないが!
まあ選挙はなかろうとおもう、
、、、そろそろ天皇解禁、これも冗談
いまはもうなんでもいい、ゆるしてください
わたしのことをいえば・・・
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東京ウェルカム!
東京ブルーズ!!
東京ゴッド!フリーダム!!
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