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今夜カンペキな月が
水平線上のいさり火群のうえにも輝く
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きのう 夜が明けるとき、
おなじくカンペキな朝陽も
水平線上から帰って来る漁船群を照らしたのだった
*
満月なので
津軽海峡を臨む大森浜をゆき、
防波堤のうえで月光浴をしているひとびとが
ようやく途切れた S...町あたりで車を降りて、
月のひかりを存分に満たした波が寄せるのを見る
昨夜より、一晩分の秋が進んでスゥと寒い
*
沖ではたらく船々をじっと見る
漁師たちが見る光景を、彼らの上の天文学を、おもう
あの光が
” 漁り火 ” という風景ではなくて
ひとつひとつの船の、
ギラめく集魚灯のしたで働くリアルな男たち、
として見えるまで眼をこらし、
念力を使って彼らに同化する
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前ページで触れた、
戸井町の漁組へ参じていったんは破れたあとで、
津軽海峡のむこう、
対岸である青森大陸の先端、
ひとまずマグロだけは有名な、
『 大間( オーマ ) 』 というところに電話した
あの陸の突端には
” 島奴( シマヤッコ ) ” という女があって、
『 本州最北端の女 』 という鬱陶しい肩書きをもち、
『 まちおこしゲリラ 』 という鬱陶しいタイトルで、
まちをリードするひどくクレイジーな活動をしており、
とてもはんかくさい女※で、
どれくらいはんかくさいかというとわたしの20倍くらいだ
( ※はんかくさい = すばらしいという意の方言 )
わたしのほうは元来、
” まちおこし ”
という言葉にアレルギーをもつが、
彼女らのやっていることは
まさしくゲリラ的まちおこしだし、
クレイジーだしアメイジングだし、かつ、
なんだかばかばかしくて、
やけにチカラの抜ける内容なんだけれども、
( フェリー乗り場で大漁旗を振って客を出迎えたり、
なにをしゃべっているかわからないラジオをやったり、
イガ、タゴ、ホダデ、それと、まぐろテーシャッツ、
『 オーマの休日 』 という旅などをプロモートして、
それらを売っていたりする... )
土着を決めたものにしかできないスタンディングをし、
いつも結果をともない、町民に愛され、
真理をやっているので文句なしに、
対岸のわたしも、彼女を好きだ
島奴、東京にいたことがあるらしいが、
オーマに帰化したので、
あえてすごくナマっていて
何をしゃべっているかワカラナイ、
とにかくその彼女に、
H氏との対話をスタートさせたい、
( ので通訳に入ってほしい )
と、標準語で話す
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H氏とは、大間漁組の組長で
大間マグロ関連のテレヴィジョンなどで露出度が高く、
すんごくナマっていて
何をしゃべっているかワカラナイ
わたしは、国会中継以外のTVを見ないので
未知だったが、実物とは1度、
函館のマグロサミットでお目にかかり、
「 来年お世話になります 」 と
すでに予告して伝えてあり、
どさくさにまぎれて固く握手までしてある
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「 今月中にオーマへ行くから 」
、、、として本州最北端の女・島奴との電話を切った
彼女には、今年の春のうちに初見し、
来年の 【 青函帯2009 】 の趣意
( 2/10参照 )を、少し理解してもらってある
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先日、前ページの日記に
ジャブのつもりで戸井町漁組へ走ったら、
ストレートになってしかも腕が短かった、みたいな
そのことを書いたら
さっそくカンちゃんにメールで怒られた モ ン ネ ~
- その前の日記で
” 人生は時速30キロくらいで ” 、
などと自戒したお前のその舌の根の乾かぬうちに、
またしても突ッ走るとは、ばかで阿呆千万だし、
このようなことは、マヌケな丸腰で走らず、用意周到に
政治的根回しをして、大人っぽく、段取りよく。
、、、という内容だらうとおもう
( ワハハ。そこは頼むよ )
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はたしてこれはわたしの30キロで、
ターボの音ばかりがせわしく鳴ってうるさいが
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まだそんなに踏んでないよ
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