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夏ここにいませりされど早や去りたまいぬ
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サッサッサ!! ・・・ 寒い!!!!
8月!!
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先日、飛行機を降りてブリッヂをゆくとき、
わたしだけでなく
羽田から夏の軽装をしたまま移動してきた、
たぶん旅客全員が図らずも、
「 寒い! 」
と声を出してビビりましたよね
その日ただちに、『 緑の島 』 に立ち寄って内部を歩きまわり、
天気のカンジを見る
- 寒い、びゅうびゅう寒い
どうしたって野外フェスの気分じゃないね
来年は暑くなるとよいけど
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ところで港のはなしをする
港に
かならずなければならないもの、のうちのひとつに
” ビット ” というのがある
- ビット、それは、よく、船繋りをしたり、
もしくは裕次郎が片足を乗せたりするためのものです、
ご存知でしょう
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函館は全国でも有名なる臨港都市で
すばらしい地形と海上環境とによって
おおいなる物流をもたらした良港を有します
( これには高田屋嘉兵衛様たちが大活躍しました )
昨年度、海上保安部のヒチコック課長からいただいてきた
港湾地図をかたわらにして以下、ペンを執ります
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港内に点在する商産業岸壁のすべてには、
このビットないしはなんらかの繋留設備が備えられてあります
これがあることによって、
( 、、、、というか、ありさえすれば といいたい )
世界中、至るところから運航してくる船という船は、
あるいはヨットというヨットは、
そこに繋留させてもらうということが可能になり、
そして逆にそれがない場合においては繋留できない、ということです
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すぐそこに、繋留された船のある光景というのは、
港を港たらしめる、港ならではの、
なんというかこう、グッと胸にせまる、イイものですね!!
ひと息入れているみたいな船々と
もやったロープの、波に揺れてはきしむ音 -
そうそう、
カモメが啼いてさ!
ヤマセが吹いてさ!
あんたによく似た男の背中におんなが泣いてさ!
振り向いてくれたっていいのにさ!!
抱きしめてくれたっていいのにさ!!
つれないネエ!!後姿に!!
あたいはあんたの面影浮かべてさ!!
ぬるめの燗がよくてさ!!
ダンチョーネ~ってんです!!
ねえ!?
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ところが、
あろうことかそれが設備されていない場所が
一箇所だけあって、果たしてそれはどこなのかというと!!
「 緑の島 」
商産業に属さない土地、あらゆる国民の
憩いの緑地と指定されて
かなしくボケッとさせられている国有地ただひとつ!
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以前その話を、
口角泡を飛ばす勢いで
揺れるキャビン内にて初対面のヨットマンにしたところ
みずから落としたブラック珈琲を飲みながらKG氏、
「 ビットのない港なんて、クリープのない珈琲とおなじ、
イエ、あなたのいない人生とおなじです! 」 と叫び返す!!
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わたしは来年の企画、
【 青函帯2009 】 において、
緑の島周辺に数々の漁船群とヨット群とをお招きし、
シーメンシップと北洋漁業華やかかりし時代の光景を
演出としてつくりたいと考えているのですが、
ゆるされるのは緑の島以外の、繋留可能岸壁です
投錨したり、台船などをつけて繋留したり、
即席ポンツーンをつくる、など、
いろいろ考えましたけれども、
グッとこない
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ビットは!!
船をもやうことができ、
ヨットが立ち寄り、船が休み、
非常災害時の海上ルート確保の役に立ち、
さらにはその頑丈な機能美的形状から、
港町ならではのモニュメントにもなり( イカよりいい )、
椅子にもなり、片足置きにもなり、風景に貢献し、
青函帯のときの役にも立つのに
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なんでないんだろう...
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