■
梅雨入り前の過日
誰もが快哉を叫んで晴天を迎え
さっそくにしてどの街のひともみんな
海へ行ってしまったから
午前中の国道はどこまでも気持ちよく空いていて
ラジオをどこにチューンしても、どのＤＪもゴキゲン
湘南の波の情報とライトな曲を流していた、
ヨコハマ方面の電波に合わせる、
完璧な６月の、最初の日曜日
わたし、真っ黒ななりをして窓を開け、
機嫌よく向かう先はお葬式
＊
死は
光へ向かうものだ、として
故人が大事な、或いは身近なひとであるほど、
その死を、こころで晴れがましくおもう
がどうせこのあとで待っているのは
様式的に過ぎて噴き出しそうな沈鬱と、
滑稽なやりとりと儀式
＊
身内がふたり続けて死んだとおもったら、
マンションの冷蔵庫と洗濯機も続けてオシャカになった
ウッ
これを機に
CO2削減ライフに移行できそうではないか
■
激しく函館東京間を行き来していたので
のんきに東北自動車道なんかを使わずに、
結局のところ安上がりでスピーディなエアを利用していた
車での遠距離移動と違って
そのスピードに身体がなじまずに、機上で、
あれ、
じぶんは今どっちに向かっているのだっけ、とおもう
昼と夜の動きもごちゃ混ぜで、
明け方なのか夕方なのかわからなくなったりも
したりしていたが、ちなみに
いまは東京にいて、そしていまは夜
ゾクゾクするような、
フューネラル・マーチの鳴る夜
＊
夜になると、
都会のラジオは
やたらと小奇麗なジャズ三昧に変わる
■
あまりにあちこち、
そうして移動が激しいためにデスクワークができないから、
いいかげんにノートPCを新たに買うことに決め、
イヤイヤながら秋葉原へゆき、
わざと不機嫌そうにノロノロ歩いたりしていると、
最新の、５万円くらいの小さなノートと、
接続に必要な、Eモバイルとかいうのが、
みなさん！
ナントカキャンペーンですといって、
なんとセットで１８，０００円で買えたわよ！
秋葉原はスゴイなあ！
そんなことならさっさと買うんだった
＊
帰途は
やたらニコニコして、速歩きになり、
すばらしい街だ、サイバー万歳！
、、、 なんて云ってキョロキョロしながら、
ウィーンスタイルを模した珈琲店に座ってよろこびを噛みしめ、
わざわざ店員に
「 珈琲がすこぶるおいしい！ 」 なんて声かけて、
PCの箱を早くもコッソリ開けてみたりなんかして、
周囲のひとに、
「 ねえコレ買ったんですよ 」
、、、などと声をかけるのをガマンしたりして
スッカリ嬉々として帰ってきた、
人殺しの起きる前の秋葉原から
＊
で、わたしは無事ですし、このノートも調子イイ
● ● ●