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東京の街の、きいろ
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吟詩でも聴こえてきそうな
蕭然たる秋の徳川家の墓地をあるいて
乱歩で珈琲を飲み、
いつからかN君の脳に巣喰ったある考えや、
彼の身が冒険した出来事などを聴く
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建築仲間のN君とは2年ぶり位の邂逅、
だいたいこんなペース
なつかしい声だ
万年筆の
控えめな濃淡のような
この声で、
夜のラジオなんかを作ったら気が利いてる
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乱歩で
陣取った席はちょうどスピーカの横で
Dear Old Stokholm が流れ、
その声に、気分をつけたんだった
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声 -
声を聴くというのは、いいとおもう
年賀状をじっくりと描くのも、とてもイイ
メールに、慣れすぎたから
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わたしはといへば
ようやく
この数日で自宅作業に没頭しようとして
CO2削減ノー暖房の ( ← と、ワザワザ書く )
寒い部屋にも慣れて得意げに
マンションで過ごす時間を長く取ったが
こちらもさすがに気温がひとケタになることも増え、
やっぱり寒いうえに物事が進まないことはなはだしい
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この期に及んでの思案はなにかというと
人間における習性の不思議について
以下はわたしだけでなく、
世の中の
およそすべてのひとにあてはまろうと確信する
( エッ、違うのかい? )
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試験の前夜によくあるように
徹夜で勉強をしなければならないッてときに
なぜかわからないがいきなり夢中で、
取り返しのつかない規模の大掃除をはじめてしまって
やめられなくなったり
あるいは年末らしく大掃除に取りかかるや否や、
長年忘れ去っていた本をフト、
片隅に発見してしまっては案の定読み出して、
にわかに没頭してやめられなくなったり
膨大な年賀状を作るべきときに
なんの脈絡もなく世界大地図かなにかをひっぱりだして
それは執拗に長時間、
魅入ってしまってやめられなくなったり
移動のための荷造りをすべきときに
これまでの人生でいちども作ったことなどない、
且つ、まったく必要すらない、
ブリュレだのスコーンだのを思いつきで焼き始めてしまって
すこぶるうまくゆき、
すっかりやめられなくなったり
いったい世界はわたしに
なにをさせたいのかとおもう
なにひとつ進まない
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こうして
集中力のなさにビックリしているうちにも
容赦なく朝が来て
よりによって嵐だという東北自動車道をふたたび
北へ向かうです
長い路上、
路上こそわがふるさと
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クリスマスに
デザイナのたつぞうから
毎度キザなポエムとともに届いていた画像を
今年も勝手にみなさんにシェアいたします
みなさんが
残りの月日もすばらしく過ごせますように
たつぞうサンキュー、
きれいだね、
丸の内、、、mmもしくは港区
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