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おもいだす、なにかを
山の道を走る
初夏の夕刻の山の沈黙
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さまざまな
後悔と
失敗と
恥と
ガビーンとに満ち満ちて
わたしは日々、
破れかぶれで立っています...
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函館旧花街・大門へのオマージュ
【 一夜限りのグランド・キャバレーの灯 】
- 廃墟復旧 連続労働18日目
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「 ヤンヤ、黙って見てるワケに行かねえべさ、
さちよちゃんよう、 」
といって、
近所の場外競輪所の所長が
帽子と皮手袋と汚れた作業ズボンとであらわれたので
ハッハッハと大いに笑う
この日は
若き写真家の女子も来てくださって
なかなかの働きをした
キリンビールのS氏もやってきたから、
当日の協賛を、高らかに申し出てくださりやすいように、
M... で珈琲をふるまってさしあげた
うれしかったわ、
みなさん、どうもありがとう
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先日、
T 社長が運転手付きの車で、
廃墟正面に乗り付け、
バリバリと音の鳴りそうなスーツ姿でスルリと降り立った
なんと専務までもお供だ
「 オエッ! 通りまで、すげえカビ臭せぇぜ!
ヤイヤイヤイ!! さちよ!! 」
といつまでも毒づくのを
裏口に手招きして、
発電機のイグニッションを専務に、
そしてスタータを社長に何度も引っ張ってもらい、
ようやくエンジンがかかった、
労働ご苦労 ( ラッキー )
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カビ臭せぇだの、ヒドいだの、信じられねえだの、怖いだの、
汚ねえだの、真っ暗だの、お前は女じゃねえだの、ばかだのって
やたらと聞きなれた言葉の合間に、
お前はバカだが
お前に肩入れをしないなら函館市はよっぽどバカだ、とか
( これは録音すべきだった )
お前が男だったら俺の社長にしてやる、とか
( これも録音すべきだった )
これは意義が深過ぎる、絶対にやるべきだし、
誰もが金を出すべきだ、当然俺は出すぜ、とか、
( これも録音すべきだった )
・・・・・・ なかなかイイ事もおっしゃっていた
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この御仁、
ギラギラとして、ひときわ人目を惹く、力強いオーラを
いつでも常に放っているのですが、
このときはいつも以上に
その眼がどんどん輝き出し、照明器具みたいになった
その光は、
わたしの身体にも満ち満ちたので
T 社長が完全に、
わたしのなかの完成図を共有したのがわかった
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K氏からメールが届いた
( 勝手にコピーするけれどよかろうでしょう )
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『 今日は ナマラ よいひだった
君をみて 動くものが ヒクトリーを掴む条件だと 感じた
昔 花が咲いていた 大門
明治から 昭和にかけて 日本でも 有数の
花街だったんだろう おいらたちは その片鱗を
すこし だけ しっていた
動き回っている 君は 大門という 素敵な 種を
見つけたんだね いまの大門は 荒廃した
雑草だらけなんだろう そこに すんでいる おいらたちは
慣れてしまって いるのかもしれない 耕せば
草刈をすれば またキレイな花が 咲くかもしれない
それが 昔みたく 花畑でないかもしれないが
そんなこと どうでもよい 一輪のはな でもよい
また 誰かが 種を 拾うだろう
みのたけの 花畑ができれば きっと 素敵だろう
ありがとう 』
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ステキなメールだけれども
2行目の、” ヒクトリー ” ってのはなんだろうね?
まあ、
ヒッコリーか何かみたいなものかな
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