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ハローひさしぶり、
極上のシャトー・ブリアンを焼いてください
積もる話も、あることだし
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セカンド・ファミリーの店へゆき、
立ったままノンアルコール・ビールを飲み、
ステーキをむさぼって皿を舐めてから
珈琲と会話とのために、薪ストーヴのソファに移動する
わたしたちには
” YES ” と云ってくれる大人が
” GO ” と云ってくれる大人がまわりにあって
” NO ” や ” STOP ” に打ちのめされたりするなかで
それらは黄金に輝いて道を照らし、糧となる
なにかやるときは イエス
まずは イエス、だとおもっているわたしにとっては
イエスやゴーは、なによりの栄養なのです
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函館滞在期間もそろそろ大詰めで
なかなかに予定が立て込んで疲れちまったので、
なんとなく、ひとりのディナーに選んだ店
カウンタに先客、
同じくひとりで食べている、
マイミクシィのSUSHIPUNK君の姿があった
こういうの嬉しい
それに先日は
いつものジャズ喫茶で
スピーカ前に陣取って珈琲をやっていると、
コマヤ夫妻もやってきた
ホントこういうの嬉しい
東京暮らしでは広すぎて、
なかなかないものだから
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大門に軒を連ね...じゃなくて
点在( いまとなっては点在だよ )する、
ざらりと30年や40年の歴史ある老舗、
ちょっとスゴい、
というかスゴ過ぎる店々を、
うわァこれは入れないだろうという店々を夜ごと、
ひとりで音もなく、たずね歩く
( もう破産 )
これまでに2、3度、
店の前をうろついたり、扉に手をかけたが退却したり、
ゾッとして去ったり、という店がたくさんあって、
そのうちのひとつふたつの扉を、
4度目の夜などにようやく開けることになる
( この街にくらべると、
かつての新宿ゴールデン街などはあまりにマトモだ )
それでいて、
かつてのこの街が、
いかに本当にダンディであったかが
亡霊のように立ち現れてタイムスリップする驚きを
これまで扉を開けるごとに味わった
それぞれに、
このあたり独特のダンディズムをいまも体現しながら
( それそのものがアンティーク! )
妖しく光る歴史、セピアの混沌を醸す店内で
大門の昔話などを聞き込み調査したりしながら
つぎの企画の営業
キャバレーという言葉を発すると、
どの店も、居合わせたお客様も顔を輝かせて
いろんな話を引っぱり出してくれて盛り上がり、
激烈な、それは激烈な応援をくださいます
このような、地場の色めきたった声援を
わたしはかならず栄養にして
絶えず襲いくる、たくさんの 『 無理 』 に
備えるワケです
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そうしてこの夜も
まるで戒厳令下の共産国の夜みたいな街を
肩をそびやかしてほっつき歩いては、
すみずみまで目に焼き付けて、眠ることにする
しっかりと、
目に焼き付ける
さもないと街は、知らぬまになくなるものなんだ
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( まだ先のことで恐れ入りますが )
今秋の企画 ; 旧花街・大門
一夜限りのグランド・キャバレーの灯
【 チュニジアの夜 (仮) 】
※ 進捗状況 ※
いま、件の廃墟では
設備屋さんたちが明かりを入れて
配管設備が使えるかどうか、どのように仮設計画するかどうか、
建物の調査をおこなってくれているのですが
こうして途中、
わたしは月末の銀行業務をしがてら
ネットカフェでこうして気を紛らしたりして逃避しているのです
だって
無理、とか 配管破裂、とか コスト破裂、とか
あんまり聞きたくない言葉ばかりがきっと、
飛び交うんですから
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ほらね
「 オエー、わやだで 」 ( わあこりゃヒドいぜ、の函館弁 )
なんて声があがりながら
建物のあちこちを壁裏に入ったり天井裏に入ったり、
点検して廻ってくれているのをわたし、
ヒヤヒヤして見ているしかないのです
「 で、使うのが1日だけだとよ! 」
「 オエーイ!! 」
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