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Je si fatigue ...!!
テレマーク・スキーなるものに魅入って以来、
いまのところ毎日、
かならず甘いものが食べたい
【 あのこと 】( ← テレマーク・ターンと雪山 ) を
思っただけで、脳と身体が反応して疲れるのだが、
それでも
【 あのこと 】 を思うのをやめられなくてきょうもまた、
想像裡にわざわざ疲れて、
バター・クリィムや、チョコレートなんかを食べる
仕事で
図書館に調べ物をしにゆき、
借りられる冊数の最後の1冊だけは、
趣味の夏目漱石全集から選ぼうと決めていたのに
なぜか意外なところで、テレマーク・スキーに関する本が
たった1冊だけあるのを見つけてしまい、
残念なことに漱石が借りられなかった (ニヤニヤ
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それにしても先日の、
ゲレンデを捨ててはじめてトライした、
バック・カントリー・ツアーはすばらしかった
否、じつのところひどかった
あんなもの、なにがたのしくて
死ぬほど苦しい思いをしなくてはならないのかね、
わざわざ大人になってから、
ばかなんじゃないのこの人たち、
なーんて考えつつ、
七飯の山から横津岳の頂上を目指して、
深雪と霧氷の白いジャングルをひたすら一歩一歩、
わたしたちは上昇した
登るのはあまりにしんどく、
降りる( 落ちる )のはさらに辛い
ところがどうもその極度の辛さのわりに、
じぶんの顔がなぜか、笑ったままであるような気がしていたが、
あとで聞いたらやはり、スゴク楽しそうだった、と云われた、
これはまったく不本意ッてことよ
( ぜんぜんおもしろくなかったんですから )
メンツは、
やはりボスである山男ヒゲ氏と、狼とユンボとわたし、
それに偶然、駐車場で遭遇したK氏、の5人
背負ったランチは、ヒゲ氏が綿密に用意してくれた、
イタリアン料理と命のホット・ワインに各自のチョコレート
まあ、ツアーに関しては、
本が1冊出来上がるくらいの長い冒険譚となるので
それはそのときが来たら、記そうとおもう
なんたって、
雪山で生死の極限を体験してわたしは、疲れてるんだよ
*
ああイヤだなあ、テレマークだなんて、
ああイヤで、すごくイイ
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先日ハム子さんと一緒にジムへゆき
ひさびさのトレーニングに埋没
ハム子さんも一緒だし、たまには、とおもい、
性に合わないのがわかっているエアロビクスとヨガとをやって
やっぱり性に合わない、というのを確認したあとで、
大好きな筋トレ
数ヶ月ぶりのベンチプレス
テレマーク・スキーのためのランジ・スクワット
2月に控えている気取ったパーティで
ドレスをきちんと着こなすための背中のチンニング
それにイチゴ・プロテイン
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目が少年みたいにキラキラと輝いたその中年男は
ポケットに手を突っ込んで口笛、といった風情で界隈をあるき、
その店のシャッターを押し上げて中に入る、
扉には鍵がかかっていないのを知っているので
そうして勝手に酒を取り出しては注いで
勝手に好きなレコードをかけ、
そこにいつも置いてあるトロンボーンに
フーフーと息を入れたかとおもうと
おもむろにセッションの真似事をしたりしては
( たぶんメチャクチャなんだが )
満足するとカウンタに、いくばくかの金をバシッと置いて出てくる、
といった話を
あの男がするのをわたしはうっとりして聞いた
【 潜入 】 だとか 【 勝手に 】 だとかってのに、
わたしはめっぽう弱いのです
わたしもよく、
あちこちの廃墟には勝手に潜入しまくったし、
ひとの留守宅に、勝手にあがってトイレを借りたり、
勝手に厨房のバナナを食べて皮を置いて来たりするのが
どうにも好きなもので
しかもそれに、そこにあるのが、
ありそうで軽薄なサックスなんかではなくて、
真面目くさったトロンボーンであるところが
なんだか間延びした感覚がして、じつにいいとおもう
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企画書、資金集め、ロケハン
ああ、と、ふと挫けそうになっている頃、
深夜近くにMJ-N氏と顔を合わせて声援をもらう
また出来そうな元気が出てくる
企画書は書けるし、
資金は集まるし、
絶好のロケがかならず見つかる
いきなり、【 Let it be 】 という言葉の意味が、
「 なすがままに 」 ではなくて、
「 それを在らしめよ 」 であることに気づく
ものごとは、
それを思いついた時点で、
在るべき場所が確実に用意される