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どうもわからねえようだ
わたしがやろうとしていることは常に、
最初から、
フルクサスだよ
すべて一連の、道程
眼前にあるが、それがあまりに巨大であるために
誰もその存在に気付いていないという山がどこにもある
わたしはこれに目を凝らしたいだけだ
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昔あるときから
すでに書かれているのを知っていた、
更新しても
添削しても
ほとんど変わらないシナリオがあるんだ
なぜって、いっしょに流れているからさ
変わるのは風景のほう、
流れの本質は変わらない
*
頭の中ってのは
『 宇宙より広い 』 んだそうだから
もう少し遠くまで行ってご覧よあなたがた
どうも小さくまとまってやがらあ
旅費はタダだろう
さっさと行きな
『 果てはないそうだ 』
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” 会話できること ” と
” 心が通じていること ” とはまったく別物であるし
” 会話できること ” と
” 肉体関係をもつこと ” ともまったく別物であるが、
それを知らない輩に
与える呼び名はないじゃないかい
阿呆じゃ高尚過ぎるし
馬鹿じゃ情があり過ぎる
右腕フック、
確実に 【 入る 】 10年モノの右で
気持ちよくしてあげようか、
脳みそ揺らしてさ
バタン
山本リンダは間違っていない
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従姉妹のうち
都心に暮らしている従姉だけを好きだが
彼女がわたしのことを好きかは知れない
彼女のうなじは、国宝級の美だ
彼女はかなりモードなファッションモデルで
しかもいつも意地悪だった
彼女の両親は彼女のティーンエイジに別れ、
父親は晩年、北海道のどこかで腹上死した
母親は先年、
江戸川の自宅マンションのバスで謎の溺死をした
その小さいが錚々たる著名人らが立ち寄った葬儀、
ニセの坊主の読経中に痰が絡まり
抑揚がどんどん変になってゆくのを満場は
どうすることも出来ずに
込み上げる笑いを深呼吸や震えに変えたりしているなか、
死んだ女の実弟であるわたしの父の
ガマン袋の緒が切れて猛烈に噴き出してしまい、
それは同時におなじものを、
こらえにこらえていた満場を噴き出しの渦にし、
惨憺たる葬儀となった
誰もが泣いた顔を真似て笑いをこらえた
坊主が動揺し、
鐘を必要以上にキンキン鳴らし、
いらないところで大ドラまで鳴って鳴りすぎ、
彼自身にさらなる憔悴を招いた
遺影は
死んだ女のいちばんかわいい右斜めのショット、
小悪魔みたいな流し目で
片側の口の端で笑っているものだったので
誰も罪悪感を抱かずに済んだ
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書きたかったので全部書いた、
もう云いたいことはありません