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ときに言葉少なに
大事なひとたちの発する声のひとつひとつに
じぶんの想像やおもいが触れては蛇行し、ブリッジされ、
なにかに向けて形づくられてゆく、
それはとてもおもしろいこと
物事がなにかに向かうときというのは
いろいろな場面で起こる何事かはもはや
説明を必要としないほど自然発生的で
なんの理由づけもいらない
このまま
旅に出ましょうね
なにかジプシー風の曲でも書いて
*
コンテはこうだ。
送るよ、といって旧知の同士が一方に向けて歩き出す、
沈黙も会話のうちで
目的地までついてもそれは終わらずに別れがたく、
また来た道を
こんどは送るよ、といって逆方向に歩き出す、
もとの場所につく、
それでもやはり沈黙なり会話なりは終わらずに
また最初に向かった方向へ歩き出す、
というばかみたいな行ったり来たりをするような
そんなふうにして深まる道程
*
雪が降ったら雪道をあるこう
雨が降ったら雨の中を
誘いが来れば南へも行こう
そうしてたくさんの道を深めて深めて
ようやく出来上がる一枚の写真
*
吸いさしの 煙草のけむりがよく香る
いくつもの夜に
あッ なんだコレ
ポエムかよ