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朝の温泉、それから
打ち合わせにあの男( シェフ )のフレンチレストランへ。
ランチ・ラッシュ後の凪、
つかの間の昼寝の最中を起こしてさ。
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翌日に彼の邸宅で、大勢のBBQをするので
その仕込みをちょっと手伝わされたりしつつ、
マダムやシェフ、それにギャルソンたちとゲラゲラ笑い、
家族みたいにくだらないことを言い合い、
厨房の窓のそばで夕方の風に当たりながら花を分けたり
ニーソワズのための卵をむいたり
じゃがいもをつぶしたり
皿を洗ったりつまみ食いしたり、
近所のひとが立ち寄るのを窓越しに
お相手したりしていると
ああ、しあわせな時間だなあ、といつもおもう。
ケーキを作っている最中のパティシエ役の
失敗したチョコレートをひたすら舐めたり
A氏と毒づき合いながら、サフランライスをネコババしたり
これは鹿か?羊か?
食べてみないとわからないといってどんどん食べたり
イヤ、まだわからないといってどんどん食べたり
機嫌の良くなったシェフが
口からでまかせに作った歌に乗ったり
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大晴れの翌日 - 。
万物うるおい大気に満ちる、新緑まぶしい春まっさかり
mother Mountain こと駒ケ岳をまわり込む、
かの火山が過激に迫るカントリーロードをゆるゆると走っていると
うしろからVOLVOディーラーの社長カーが笑顔で追い越してゆく。
つぎの車も またつぎの車も
目指すはシェフ邸のにぎやかな庭
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打ち合わせも兼ねて I 氏夫妻とその犬も呼んであり、
おおらかな晴天のしたに集まった80名、
要人たちと紹介しあったり
営業しあったり、喜ばせあったり、
取引き成立したりして落ち着いてようやく
きのうのうちにみんなで仕込んだ膨大な皿をつつき、
BBQの火をゴウゴウさせている
A氏や木こりのU氏たちとふざけたり。
朝摘みのウドやたらの芽をどっさり広げて、
天ぷら係を買って出たロッカー氏がひと段落してから
彼とも、例の 秋ジャズ、 food 部門の打ち合わせ。
顔が
炎天下でジンジン灼けるのもそのままにして
某ドクターの
「 オイさちよ、その秋ジャズの件、
僕がお金を出してあげるからね 」 という感激なオファーに
「 ノン、ドクターその必要はありませんの 」 と断る気分の良さ!
( でも気が変わるかもしれないな、と付け加えて )
だってみなみなさんのおかげで
ほとんどコストがかからなくなってしまったのだもの。
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シェフのススメで
彼の庭の後片付け班スタッフたちにゴメンといって去り、
彼のカヌーを I 夫妻とともに借りることにして、
そのままカヌーハウスへ。
若手カヌーイストのハヤトや
カヌーハウス主人の手をわずらわせつつ
2挺のカヌーを出してもらったが
ひとりで乗るにはわたしの技術が追いつかずに桟橋から出られず、
このカヌー壊れてるね? とかなんとか毒づいて、
やむなく彼らが初心者用にカスタマイズしたカヌーに乗りなおして
はるか対岸をめざしては流され、目指しては流され、
ばかみたいに疲弊して戻ってきた。
*
夜は夜で。
( 略 )
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秋ジャズには2,3日早めに前乗りしてゆっくり過ごす、
というシュンちゃん(Vo.)たちを歓迎し、
( 前の日記参照 )
たとえば彼女がここを歩いたら
何がどう見えるだろうなという調査をして徘徊した。
「 さちよさん、
お金がキツかったら僕はキャンプでいいです 」
と云ってくれるゴーシュ(Cello)が
ここでキャンプしたら何がどう見えるだろうなという調査もした。
車を停めて地面をあるくと
火山と森と湖と土とが、イエスイエスイエス、という。
イェイ、ありがとう、これで大丈夫だ。
*
彼らが前乗りしたら
一日くらいは街のどこかでプレ・ライヴなんかして、
函館のミュージシャンも混じったりして、
もっとたくさんのひとが楽しめるようにしよう。
約一週間かけて、
この土地にシュンちゃんたちがじっくりと
浸透する贅沢な計画
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そうだ、
その 【 秋ジャズ 】 だけど、
タイトルを決めなくっちゃね。
・・・・・・・ といっても、じつはもう決めてるんだ。
タイトルは、 【 HOT RIDE 】
ホット・ライドと書いて ( 湖の )「 ほとりで 」 と読む。
キャーーーッ 冴えてる!!
ハッハッハ。