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鳶職たちがあまりにも粋にキメた半纏姿で
組内の親分ちに集って、
寒い手を摺りあわせながら賑々しく門松を切る
*
東京下町の、いま、現代にもある、
キリッと引き締まった冬の光景を
わたしは繰り返し、反芻する
ここの鳶職たちは梯子もやるので
正月明けの晴海でやる大きな消防出初め式には
ときどき連れて行ってもらった
*
函館の冬もいいが
秋から冬にかけてなら、東京もいい
すこぶるイイ
*
毎朝、寒くてたまらない冬の工事現場の、
日雇い夫たちの白い息や、
ガード下で喰らうモツ煮の香りや、
なんとなく晴れがましくってしあわせな下町の露地、、
古い図書館や見事な銀杏の並木、
ファミリアで清浄な気分の文学墓地、、
まったくどれも好きだなあ
冬の風がキン、と来たら
こういうふうにして甦る記憶がいくつか
*
こないだ露天風呂で
顔中に感じた冬のその冷たい空気
これに触れると
なにかに話しかけられたみたいにハッとしてわたしは
殊にいつも、以下の光景がひときわ、
ゆっくり舌を噛むような感触とともにたち現れる
*
薄暗く古臭い大広間
その暗い大広間には
赤い提灯が連ねて準備されてあり
浴衣姿の若衆が大勢
たくさんのお膳の用意をまっているような
それとも大会議の開くのをまって控えているような
そういう光景
背後に聴こえているのは虎造の浪曲
わたしはそこに存在したろうか
それともわたしでない誰かの、
一瞬の記憶のようなもの
・・・ これなんだろう?
*
とにかく冬!!
正月に!
スーパーマーケットの一角で、
いったいなぜこうなるのかわからない、
ポップな七福神のついた注連縄や
プラスティックのみかんを載せる鏡餅、、、
、、、なんかをわたしたちは
あんまり買いたくないので
浪曲をやろう浪曲!
あの風情!
冬の寒いのが、アアアいいなあ!!
・・・ ッとなるような、
あの風情をやろう!!
*
次、粋筋のかたへ!
浪曲です。
虎造。広澤虎造。
熱燗で虎造。
わたしたちサクセンカイギ社の次企画は
【 函館大門・浪曲喫酒( ロウキョクキッサ ) 】!!
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寅年にちなんで広澤虎造!
そして寅年還暦の年男、三上寛が対峙!
張り裂ける、怒涛の魂( ウタゴコロ )、ビリビリ系!!
YouTube オンエアッ!!
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