■
何度か通った市の港湾空港部で
青函帯企画 について
異動前のW部長以下5名の首脳陣に都度、
寄っていただいての具体的な打ち合わせを幾度か、
設けていただくことができている
これまでずいぶん、
各方面あちこち出向いているなかでも、
結局やはり、いちばんの要所であるところの、
国有地・緑の島の、実質の管理部
北海道や日本国以前に、
ここがイエスでなければ始まらないのです
*
緑の島
ボケッとして、ただ風に吹かれている埋立地
360度好風景を有す
*
この 『 ボケッと感 』 は別に悪くない
随所に見られる 『 ボケッと感 』 は
この町ならではの感覚で
わたしは昔から嫌いではないけれども
なにもこの 『 ボケッと感 』 を、
( 水族館だか観覧車企画だかを凍結させたまま、)
年がら年中、死守すべくもないようにおもう
ここを活用したいと考える民間企画者はこれまで、
決して少なくなかった
*
” ここは函館港浚渫土砂を埋め立てたる国有地、
すべからく公平に市井一般の憩いの緑地とすべし ”
・・・・・ というわけで、
これまで有料の、
とても巨大な企画開催などがむずかしかった
というより許可されない
趣意書を持っておとずれた初日は、
じつに門前払い気味だった
*
函館港は物流港で
海洋都市構想をもつ函館としては
産学のさまざまなプロジェクトなどが逐一、
話し合われてきているのはもちろん知っているが、
民衆レベルでの海洋都市としては、
残念ながらあまりにも、なんというか、あれだ
そんななかで、
函館港は来年、開港150周年を迎え、
わたしは趣意書を持って
市や道や国や企業や、
方々へのコンセンサスを取り回りつづける
たのしかったり、ファックだったり、いろいろ
W部長は真摯にわたしへの共鳴を
ポーカーフェイスで表現しつづけてくれる
*
海上保安部へ
二度目におとづれたとき、
ヒッチコック課長に
「 またアポなしで来たなこいつは 」
と怒られながら、
話の流れでこの緑の島のボケッとぶり
について触れると
「 俺はそのボケッと、好きだぜ 」 と
ツヤツヤして響くバリトンで返ってきたのを
ずっと忘れたくないほど、気に入っている
わたしもそのボケッと、好きだぜ
*
この建物からのボケッとはどう見えているのかと、
そのあと何日もして先日、時間の隙間に、
中央埠頭の先端まで、ロケハンがてら見に行ってみた
・・・ イヤーかわいい
ここから見る函館もすんごくイイ
海岸町船溜まりには漁船がいっぱい。
緑の島はボケッと。
ブイ。
函館山。
傾斜の街。
ヨットのマスト。
西埠頭。
どっくのゴライアス・クレーン。
第一航路。
IHIの重機とオペと港湾労働者。
スクラップ。
あたりまえの函館。
ぜんぶがすぐ近く。
*
わたしはハイスクール時代、
サボらずに出席のときは、
黒板の方を見ずに、窓の後方に広がる大森浜コースト
( 函館港側の反対、津軽海峡側 ) を始終眺めていて、
( そのワリに成績はすこぶる良かった )
それはもう、いちいちすごく怒られたが、
きっとヒッチコック課長らも、
ロクに仕事をしないでここから、
日々これらの風景を見ているに違いないとおもう (嘘
*
それでまた、
来たついでだし、とおもって勝手にビルに侵入したくなり、
階段を上って部屋をノックすると、
やはり 「 アポなし! 」 と怒られたけれども
短い立ち話をして、
あらたな指導をいただいて去る
「 頑張れよ、味方だから 」 とバリトンが響く
● ● ●