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雨が降ってきた
愛に取り巻かれているのを感じる
どこへ行っても
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わたしは書いておかなければならないようにおもう
『 イカレタ女 』 は褒め言葉だと
以前だれかに強がったっけな
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2007.9.23.( sun )
旧花街、函館大門地区へのオマージュ
【 一夜限りのグランド・キャバレーの灯 】
この月の函館滞在、
すべてはこの企画のための動きだ
会場は
かつての夜の殿堂として君臨し、
函館の花街文化のシンボルだったが、
いまでは廃墟と化したまま老朽し、
かろうじてたたずんでいるキャバレーのハコを使う
毎日、
分刻みでいろいろな動きが必要で、
いろいろな場所を移動しつづけ、
いろいろなひとと会い、説明し、請い願い、
いろいろなことが起こりつづけるし、
いろいろなことにブチ当たり、
いろいろなところでコキおろされ、
いろいろなところでアドヴァイズを受け、
いろいろな問題が乱出し、
日ごとに心身に青アザと傷が増える!!
だけどひたすら、とにかく黙って身体を動かすんだよ
これが現場のコツだ
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相手は
20年近くにわたって蓄積した猛烈なカビとホコリと
倉庫化してあちこちから寄せ集められていた、
余計な重量物と、大量な家具や自転車や什器や、
とにかく膨大な、とてつもないモノたち
古いシャンデリア、古いステージ、古い緞帳、
古い絨毯、古いヴェルヴェットソファ、古いテーブル、
古い照明器具、古い廻り階段、古いエントランス、
古いトイレ、古い扉、古い天井、古い床、
古い記憶
それと、
ここに潜む幽霊たちの気配
それら全部、いまにみんな生かしてやるから
彼らがワクワクしているので、
ひとりで暗闇の現場にいてもなぜか、
とてもしあわせで愉快な気分がして、時々しゃべったりする
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惨状を極めたヒド過ぎる現場も、
だんだんハコの形状だけは見えてきました
初日の初乗り込みには、
ベーシストのヨネキと、コマヤ氏と、入村夫妻とが
黙々と手伝ってくれたし、
3日目には
suga 氏と、PAのEB氏が騙されてやってきて、
やはり黙々と手伝ってくれた
仲間とやっても楽しかったし、
ひとりでやっても、やけに楽しくて
ときどき面白半分に
応援してくれる大人たちが冷やかしに来て、
好き勝手なことを云い、呆れ、罵倒し、
心配し、苦言を云い、失笑しあるいはゲラゲラ笑う
噂を聞いたといって、
昔ここのキャバレーに入り浸ったという紳士たちから、
何件か電話での声援も入って
なんだか、玉石混交に景気がいい
とはいえこれから先がさらに本番の
たぶんやってもやってもキリがない復旧掃除三昧で
しかも危険かつ重量で工事現場並みだし、否、
工事現場ならまだ現実味があるけれど
どうもこれはまったく、非現実的なのかも知れない
( と、わたしはおもっていない )
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かつてを知るいろいろな大人が
ぽつりぽつりと
入ってきては開口一番、
投光機に照らされたステージを見て
「 夢をみているみたいだ 」 とつぶやくのがすてきだ
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