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ずいぶん経ったが
過日、椅子に座ったら黒猫エバが
ギャッと云ったので驚いてキーボードに紅茶をこぼし、
【B】【N】【スペースキー】【変換キー】【矢印】 が
すっかり動かなくなってしまい、
分解することにした
( 以前、拾いあげて車に同乗させていた黒猫が、
窓外を見てギャッと云ったので驚いて
渋滞中にカマ掘った(失礼) ことがある、
黒猫はマズイ黒猫は!! )
まるで
泥にまみれたふだんの電動工具を治す気分で
プラスで裏側のビスを抜き、
バキバキと、なぜか不穏な音を鳴らしながら
キーボードのカバーをムリヤリに開けると、
そこはなんとなく、
さわやかにサイバーな風景すぎて、
( 油のついたモーターやコイルや、カーボンなどはなく )
まったく手も足も出ずに、遠くをみた
*
ちょうど、
ポンコツのオールズモビルのエンジンが動かなくなり、
「 ヤレヤレ 」 と肩をすくめてインチのスパナを手に
ボンネットを開けることに慣れているものが、
或る時、
セルシオのボンネットを開けたらコンピュータだった、
みたいなシラーッとした気分に似ていた
*
お手上げだけれど、
新しいキーボードを買うなんてのはイヤだなあ、
3万円とか5万円とかしちゃうんだろうなあ、
かといってリーズナブルのために、
秋葉原なんかを歩いて探すのも御免だなあ、
と、忙しいッてのに長らくグズグズとして、
二週間ばかりも過ぎ去っていたので
やむなく書類などはネットカフェを利用しつつ、
月末の経理なんかにも困り果てていたがついに
腹を決めてカスタマーセンタに電話すると、
「 送料 ハ 1,000円 デ、キーボード ハ 700円 デス 」
と、キンという中国人が答えてくれた
中国人だから間違えちゃったのだろうと、
英語に言い直したりして何度も何度も訊いてみたが、
頑として譲らずに、どうしても700円だった
なんだ
*
というわけだから
ブログもまとめて更新したりなんかして、
ごめんなさいね
東京という都市には
泪橋からサンヤもあれば、デカダン、宿ナシ、
昭和的プロレタリアも時代遅れも下町の粋も情緒も、
ゴミも摩天楼も洗練もインタナショナルもアジア的混沌も、
さまざまな色がありますがそのうちの、
華やかな都会気分、
というのをいつも盛り立ててくれるは
白金に住むデザイナのTatsuzo、ひさしぶり、
以前のお礼だといって
昼過ぎの六本木で落ち合ってご馳走になった、
アーティチョークとプロシュートのパスタが
あんまりおいしかったので
その後は2日続けてわたしも
パスタ研究をしちゃった
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男といったら
まず丹下段平、とおもっているわたしは
その日、力石徹が死んじまつても、
なんらこれという感慨もなかったのだけれども
おもむろに、アッパーの練習をし出した
( テーマ曲とシャウトも )
長いこと、フットワークもサボっていたので
我ながらちょっと重い
たっぷり水の入っていると思い込んでいるヤカンを
それなりの重さを覚悟して持ち上げたらカラだった時、
おもはず腕が、いきおいよく高らかに振り上がってしまった、
というアッパーになるのには、
がっかりした