■
予言的な動悸というのがあるね。
なにかが起ころうとしているときの
得体の知れない、強烈な心臓のビーティング。
あんまりいつもドキドキしすぎて、
早死にするんじゃないかとおもう。
おのずからエネルギーが噴出するような事象と
逆にエネルギーがえぐり取られるような事象と。
疲労するなら前者がいいけれど。
*
きのう
帰り道のバルに寄って
白ワインとアスパラガスをオーダーした。
夕方の街の雰囲気ってのはじつにいいなあと
ゆったり椅子に座りなおしたとおもったら
その途端に天が鳴り、
あっという間にカミナリを伴った暴風雨が来た。
わあ。
こういうの好きだ。
雨に足止めを喰らって
降り込められる店内のなんとなく静かな感じ、
それにアスパラガス。
ニヤニヤしてばかりで
いっこうにおなじ一行しか読めていない本。
となりのシートに着席して
ビールをおいしそうに飲んだ素敵な老紳士が
雨だ、とつぶやいてひとり微笑む感じ。
■
ひさびさに身体が空いた
9月のジャズ企画、
【 大沼 Hot Ride - ホトリで 】 についての
あちこちからの問合せや相談や連絡や
アイディアなど、趣味の対応にいそしむ。
*
ベーシストのヨネキが
ピアニスト大西順子さんとのツアーを終えて道東から
その頃、函館に駆けつけてくれる予定だが
エアを使用するとウッドベースの場合、
もう一人分の料金が余分にかかるので
やむを得ず、JRで8時間もかけてやってくることになる、
という話を、電話でした。
ミュージシャン側も受け入れ側も
国内移動の交通費にいつもながらあえぐ。
なぜよ?
海外では国規模での文化的なバックアップがとても強く、
大所帯のバンドなどはヨーロッパへ行く機会のほうが
恵まれていたりする。
*
もしいま何者かが現れて
「 おまえの願いを3つ叶えてしんぜよう 」 と云われたら
わたしはまずひとつ、迷わずにこう答える。
「 ” ミュージシャン特別優遇・文化振興エアライン ” を
あらしめてください 」
このことをじつはこの数週間ずっと考えていたが
いつまでたっても誰も現れてくれないし、
そのような申し出もないので飽き飽きしてしまった。
*
それできょうの夕方、
【 渡島( おしま )支庁長室 】
( → 南北海道すべてを司るところ )へ電話し、
ふたたびいけしゃあしゃあと
< 支庁長 > に取り次いでいただいた。
この月のアタマにおこなわれた、
【 海辺のジャズ 】 の折、
絶対に忙しいに決まっているに関わらず、
約束どおりに会場に訪れてくれたこのひとを、
わたしはとても大好きだ。
かくかくしかじか、
文化の町- 函館、という名において、
このような文化振興ルート、ミュージシャン優遇措置、
フェスティバルなど発足やバンドの誘致もしやすくなり云々、、
簡単に云うと、とにかく文化にとってエアが高いのです、
という話を長々とし、
受話器の向こうからしきりにニヤニヤした気配が
聴きとれてはいたものの案の定、
「 それはすばらしい、各エア会社に、、云々 」
との返答をしてくださった。
なんてすばらしい支庁長だ。
アーティストやその文化的機会が
必要以上のコストに圧迫されずにゆとりをもって招かれ、
あるいは望めば訪れることが出来、その受け皿があり、
地方の町そのものやひとと、じかにもっと触れられる時間的価値、
というものが、わたしたちはもっと、欲しい。
きっと計り知れない魅力的な横のつながりを
生んでゆくのではないかとおもう。
好き勝手なことをいうけど。
■
S.ラファロのサイトからリハ風景の音が聴こえてわたし、
ひどく興奮する。