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開けゴマは
わたしが物事に対してよく使用する呪文のひとつ
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「 なんだかさ、この企画、
スゲーうまくゆきそうじゃねえ? 」
勧進丸というヨットの T.船頭が電話口で
いつになくワクワクした空気を送ってきた
午後にも降りしきる、
濡れ雪のなかをビシャビシャと歩くわたしに
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- T.船頭
ふだんはなるべく理知的に
あるいは中庸を保ってしゃべるひとで、
電話以外の場で、
わたしとふたりで会って話す事態になることを
やたらと全力で避け、かならず数人もしくは大勢を、
いちいち周囲に立ち会わせるひとだ
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こちらといえば
朝から夜中まであちこちへ働きかけ、
細部を調整しつづけ、仁義をし、
あれこれの判断事項に襲われ、
逐一の変化にうねり、あちこちで怒られ、
方々からの無責任な日和見的意見にまみれ、
すべて連綿とジャンルを超えて
多岐にわたってつながっている現在の函館への懸念と、
企画制作について、
小さいがすこぶる重要な決定判断のおびただしい累積による、
そういう意味での自己責任的孤独に耐えるわたしの、
( ↑ グチでぇす♪ )
膨大な苦悩などドコ吹く風~、な
「 スゲーうまくゆきそうじゃねえ? 」 は、
日々の複雑なおもいをほんの一瞬だけでも
向こうへ追いやってくれるほどの、
いとさはやかな、救いの風だった
ヨットのおじさま達が、
なんとなく沸き立って動いてくれている!!
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先日、札幌でのヨットマンの会で
来年のヨット集会を函館が大々的に受け入れ、
我が 【 青函帯2009 】 と密接に組んでくれるという、
HYC ( 北海道ヨットクラブ ) でのプロジェクトを、
クロコダイルという船のドクターT.が
オープンにしてくれた折、
当のドクターT.御仁からメールがあった
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「 ( 函館開催について )満場一致の大喝采!!
来年の8月はおもしれーぞって
みんな興味津々で函館の女に会いに来ます!!
イッパツやりましょーーう!! 」 、、って
・・・ ウッ!明るい!!
こちら、種々の悩ましきことや状況、
勃発し出した心配事項などに触れると、
「 シーマンシップはどんな状況でも適応力と
団結力があるんだからまかせなさーーい!! 」
、、、という、
なんとなく心配になるような軽さと
それを凌駕する希望的力強さに推されて
この日の朝も、
爽やかとはいへないが気持ちのよい風に、
吹かれた心地がしたんだった
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取材を受けた
函館新聞社のA記者、
小柄でパワフルな女性だった、彼女の取材は、
なんらかを掘り起こし、つなげ、
戦略的なジャーナリズムであろうとする
深い態度をもってした
*
このたびの
【 青函帯2009 】 企画の取材ではあったが
なにか答えるべきことが違っているような気がしていた
- 開港150周年?
それ以前の問題が多く横たわっているこの街は、
疲弊の渦中にあって、
そのてんでばらばらな市井の現況を
わたしは先に問いたいのだったことを
彼女と別れてから気づく
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いま、ハコトリ ( 仮・函館トリエンナーレ等 )
というアート・グループも発足し、
当 【 青函帯2009 】 はもちろんのこと、
他のあらゆる可能性とのコラボレートも始まる
アートは、
話が早いという性質をもち、
無駄な障壁がなく、
時代性の高下にも影響されず、すこぶる元気!
- ここは開港都市、文化発祥の!
これも、いうなれば
「 開けゴマ 」 をやる集団となるのだ
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この街は、すてきなひとと
すてきな芽とでいっぱいの、芳醇な土地
わたしたちはみんな
どこへ向かえばよいのか、
函館とはなにか、
函館はどうあるべきなのか、という道を、
つねに探している
*
動けるものは動け
波紋し、影響し、震え、交わり、光を放つように
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