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ＪＣ（ 青年会議所 ）というステイタスがあって
わたしは、ＪＣ系と呼ぶ
出会う彼らはたいてい、
わたしのことが嫌いな場合が多い
＊
－ わたしにとっても彼らは
なんとなく独特の
ＪＣ臭のする小奇麗な格好をしていて、
熱血で暑苦しいのだか、シラケているのだか、
純粋なのだか、合理と利益のことしか考えてないのだか、
腹で何を考えてるのだか何も考えてないのだか、
さっぱりワカラナイし、
彼らのいったいどこに、
ホンモノの、
最初の無私の奉仕精神や、リーダーシップ、
フロンティアスピリットが残っているのかも、
果たしてナゾだった （ 怒られそうだ ）
（ ↑ これはマァ余計なお世話で、
多くの先輩諸氏は、みなさんすごい情熱家か、
ないしは情熱家に仕立て上げられるようだ ）
＊
わたしのほうは、
嫌われていそうだから苦手なだけで、
とはいえ基本的に、ひとが好きだ
相手のほうで嫌っていても、
だいたいがわたしのほうでは好きだ
＊
その日めずらしく遅くまで飲むことになるのは
よりによってその、
ＪＣを卒業している兄さんたちとだった
（ 社長連というはたいていJC及び会議所及び同友会、
などということになるが、わたしは十代なかばから
アウトローな大人環境と世界観とにあったから
あんまりよくしらなかった ）
その熱血ＪＣの兄さん達が作り上げてきたらしい、
クリスマスファンタジーという長寿イベントで賑わう、
赤レンガ倉庫街をはずれて
終了後、Ｏ氏とＳＳ氏に合流して相伴し、
居酒屋で牡蠣を喰らって、その後は、
やはりＪＣだったひとが店主をするバーへ移動
わたしのことを
胡散臭いヤツだとおもっているＪＣ系が
３人とは分が悪い
＊
二番目に安いワインと、
スピリッツは彼らの、暑苦しい心意気
なんだこの仲間意識と上下意識と、
理想意識の強い、いまどき流行らなそうな、
男子校寄宿生同士みたいな熱血漢たち
－ でもまあイイや
いい光景だった
わたしたちは、
こういう兄さん達が日々、
どこか随所で真剣に、あるいはテキトーに
大酒を飲みながら（ これがアテにならない ）
熱弁議論をふるっている、
こういう街で互いに過ごしているのだ
彼らが作ってきた部分もきちんと踏んで、
この街で、ものを感じたり考えたり印象を受けたり、
その空気の一部を、
（ 良くも悪くも ）吸ってきたのだ
＊
そして人の本質は、
畢竟みんな、同じものを根底でシェアしている
（ 暑苦しいことに！ ）
あーあ
握手なんかしちゃって
互いの視線を絡めるようにして話し合っちゃって
手を広げてジェスチュアなんかしちゃって
感動とか感謝とか本気とか盛んに云っちゃって
いまのＪＣ魂は！とか云っちゃって
ヒャー暑苦しいったらないが、
非常にイイ光景ではあった
＊
わたしは相変わらず、
去年の、【 廃墟キャバレー未完成企画 】 について、
関わらずに横目で見ていた彼らから
詰問され、存在をケナされ、ワケわからねえと云われ、
理解できねえの懐古趣味だの、どうのこうのと云われ、
間違ってるの間違ってねえの、出る杭は打つのと云われ、
何者だの何様だの、鼻の上のタンコブだの荒唐無稽だの、
策士だの詐欺師だのペテンだのと云われ、
もう全部、
去年のうちに一生分、
方々から聞き飽きた一言一句違わない同じ内容をこの晩、
またしてもなんども繰り返される
洒落も酔狂もポエムもわからねえ、
それが男だてェんなら、
ああーあ男になんかなりたかねえね
＊
４人で言い合ったり、
ひとりで連綿とうっとうしくグチり出したり、
２人づつにスプリットされたりし、いま横では、
店主と、Ｏ氏とが
ふたりしてまだわたしの話をしている
しぶといなあ！じぶん達の話をして下さいよ！
「 彼女はいったいなんでどうこう 」
「 イヤ彼女は云々 」
「 じゃあなんでそこはどうこう 」
「 イヤ彼女は云々 」
「 そんな人間いるワケねえ、なんで彼女は 」
「 イヤ彼女は云々 」
「 そもそもワカラネエ、全体スジが 」
「 イヤ彼女は云々 」
Ｏ氏はなぜか
わたしの弁護人にまわってくれているようだが
このひとだって去年はいっさいシカトだったんだのに
そのときのわたしの、
いったいなにがわかるッてんだろうか？
＊
・・・ こちらはこちらでＳＳ氏にいじめられているので、
そっちから聞こえる会話の大事な部分が聞こえない
－ 果たしてなんて云ってるんだ？
「 ・・・ 彼女は支離滅裂でありながら云々 」
「 ・・・ 彼女は情念で云々 」
－ ギャッ！！
情念！
支離滅裂！
なんだ！ 情念てなんだよ！
勝手なこと云ってんじゃねえ兄さん！！
店主もだ！云いたいことは直接わたしに云え！
情念に納得するなよ！！
＊
こっちのＳＳ氏は
最初わたしを 「 さちよさん 」 と呼んでたくせに
だんだん 「 お前 」 扱いになってきた！
とおもったら今度は、
「 やちよ 」 などと違う女の名前になってきた！
誰だそれは！
＊
いよいよ暑苦しく先輩風を吹かせて
ＪＣ流のリーダートレーニングみたいにも
なってきたりなどして！スゴク熱い！！
要するに
仁義というのはＪＣにまず通すもんだった、
お前は大事なとこスッ飛ばしやがって、
俺たちの立場は！
、、、、みたいなことだったろう
フンわたしは昨年、
しつこく周辺に仁義まわりをしているさなか、
ちゃんとＪＣに引き合わされたんだったが
まったくもって、相手にされなかったんだい
＊
それでいてなんぞ来年の
【 青函帯企画 】 には乗るとか徹底的にどうのとか、
俺たちを使えとか最初から仕込みなおすとか
いっしょにがんばるんだとか全部やらせろとか、
例によってコンプライアンス云々だとか、
お前は邪魔なんだがどうもスジは通ってるんだとか、
俺たちがついているとか、実行委員長を買って出るとか、
わけがわからないけれど
もうなんでもいい！
とにかく、兄さんたち手伝うと云った！
【 青函帯
２００９ 】！！
（ 折りよく、中国では、酔って交わした約束が
絶対的拘束力を持つのだ、と教わったところ ）
＊
気づいたら
そっちで弁護側にまわっていたＯ氏がいつやら、
うしろのスツールをたくさん占有して
無残にひッくり返っている！！
しかももう夜明け前だ！
－ 起きてくださいよ！
「 イヤ～ンアタマ痛～イ 」 ってなんだこのひと！
なんて暑苦しい夜明け前だろうか！
・・・ なんだよＪＣ系って
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