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うれしいメールが届いて
とってもうれしくてつい、用もないのに夜更かしをしました
さっきまで
ヴェランダでやけに大きく成長していた植物を
室内に引き込んで、
けっこう大掛かりな鉢の植え替えをしていました
土と緑の匂い、
夜遅くにそれも室内でする仕事ではありませんでしたが
不思議とそれがとってもイイ時間であったことも手伝って
なんだかずいぶんあたたかい気分の夜です
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返信メールはヨネキから
彼はすばらしいわたしのアミーゴ
一生、憧れていたいたぐいの、
一生、尊敬していたいたぐいの、
未知の部分を適度に、というより膨大に持っていて、
わたしなんかとの間にも加減のいい距離で仲良くしてくれる、
不思議なアミーゴです
耳を澄ます
こころのなかがいっぱいでも
耳を澄ます、とにかく
彼の音を聴く
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せっかくなので
先夜、書いたけれどもあえて
ブログにはアップしていなかった文章の一部を
載せておきたくなりました
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もう出だしから褒めちゃうね。
ヨネキヨネキヨネキ、アミーゴ。
ああすばらしかったねヨネキ。
わたしが嫉妬深い女なら
あのベース、きっとぶッ壊してたかも知れないね?
なんちゃってそれは嘘
そのべースは彼そのものだから。
否、彼がベースそのもの、
というのが正確なのだけれど
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大西順子さん(pf)のギグです、
この夜、
彼女という大看板にいつものジャズクラブは満員で
そしてなぜかラフな空気がなく、
いつになく、とても張り詰めていたのです
わたしはふだんのように
リラックスして楽しむつもりが
はじめて聴く彼女のプレイとこの晩のトリオの音にすっかり
眉間にシワが寄り、口が開いたまま、
姿勢を正してすこし前のめりになった形で
どこまでも引きずり込まれてズタズタになってしまいました。
あのひとは怪物、指が20本あって
その音色は数百色、一瞬ごとにその音色を使い分け、
めくるめく無限の時空間を眼前に在らしめる、まるで大蛇、
あざやかに変幻する色で洪水させる。
いったいどんなだろう?
人生において
あんなに自由極まりないものを所有するというのは
或いは
こころに巨大な大蛇を住まわせるというのは
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ヨネキはヨネキで
彼がソロを取るとそれがまた
猛烈にハッピエストなテンションと同時に
その膨大な音楽をみずからプレイし、生み、方向づけ、
あたかも乗り物を夢中で操縦する子供みたいに
その存在を消し去って、【 乗り物それ自体 】 になる。
よくこういうことが起こる。
ヨネキと、ベースと、プレイとのあいだに。
そして飄々として終了後、
やあさっちんよく来たね、イェイといって客席に来る。
- おいら今夜すっごくゴキゲン。
わたしはといえば
すっかり無表情な面持ちで、溜め息しか出ないと来てる
そのゴキゲンさ、
わたしには笑えない類のもの
もしもいつか生まれ変わって
わたしが超グレイトな、それこそピアニストにでもなっていたとしたら
迷わずこの時点に戻ってきて、
あなたがたのプレイに、
ようやくいっしょに笑ってイェイと云うわ。
( 略 )
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「 演奏は忘れるに限るね。
どんなイイ演奏しても。
どんなに後々まで感触が残っていても。 」
わたしヨネキが死んだら、
いつか
映画ニューシネマ・パラダイスの、
キスシーンばかりつなげた内緒のフィルムみたいに
あらゆるアルバムから
ヨネキのソロばっかしつなげたのを作って、
それを死ぬまで聴くよ。
プレイヤは演奏を忘れた方がいいというけれど
わたしたちは忘れちゃいけないんだ。