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おなじ時間は二度と流れない。
おなじことは繰り返されない。
おなじ時間、おなじ雰囲気、おなじ価値を求めない。
おなじ時間は流れない。
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雪が
猛烈に降っているから外に居た。
あんまりすばらしいので、戻って犬も呼んでやった。
リードをつけずに放っておいた。
この街、
真夜中は車も通らないし。
ひとなどなおさら。
犬、あとは勝手になさい。
あんたに付き合うつもりはない。
雪が降っているときにしか
わたしはこの犬と散歩をしない。
口笛を吹くと、
家々の窓からカーテンを除けて
ひとの顔がサッとのぞいたりして、犬より反応がいい。
街中に響くような仰々しい口笛だ。
得意になって何度も吹く。
*
なにより雪がすごい。
ばかみたいだ。
街路灯で橙に染まっているあかるい夜天から
わざとみたいに降ってくる。
隙間なく。
間断なく。
このあいだカラオケで、
アダモの ” 雪が降る ” を熱唱したからだ。
昨晩、雪のめぐみの踊りを踊ったからだ。
否、ただの深刻な環境問題のせいだ。
- こんな降りかたしてもいいのかい、君等。
- 神様がゆるしたんだぜ。
ヨカローモン。
なんならもっと降れるぜ僕ら。
ああすごいなあ、こんなの見たことないや。
まるでばかだね。
もうどこまでも歩いてやる。
死ぬなら冬だ。
もちろん西行さんに異論はない。
ところで何度も云うが、
ほんとうにスゴイ降りかただね。
すてきだよ。
歩いても歩いても、すぐにあしあとが消える。
天も地面もあかるくて、
みたことのない奇妙な色に満たされた深夜。
子供の頃は、
雪の晩はひたすら青白かった。
いまは街路灯が増えたからね。
水銀灯に、赤いナトリウム灯。
- 水銀灯に、赤いナトリウム灯。
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今朝から山に入る。
お待ちかねの
テレマークスキーとクロスカントリー。
あんなに軽やかに冷えた雪が
きょうはすでに気温に負けて重かった。
いちど山を経験すると、
リフトに乗ってひたすら滑走、
という通常のゲレンデスキーが、あまりに物足りなくなってくる。
バックカントリー。
登れ、登れ。
mother Mountain のピークが、
マッターホルンに見えた日。
この件は機会があれば後日。
*
夕方、カヌー小屋で珈琲。
A39氏と笑い合う。
バルト夫妻と薪ストーヴの前で
黒豚のコパーを齧りながらのゆっくりした会話が至福。
ここでもまた、
愛のジャック・ダニエル。
「 さちよ。 」
「 なに。 」
「 やっぱよう、
・・・・・・・・ 山だな。
ワカサギばっかで氷のうえにいると、
眼の前の山が、あまりに恋しくなってくる。 」
月夜の雪山登山、やりたいね。
*
それにしても
スクワット大使たるわたしの、
【 大腿四頭筋 】 の非常にツラいのが、
どうも不本意でならなかった一日。
イチゴプロテイン、ガブガブ。