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「 最高の還暦になったゼイ!!! 」
- 三上寛が紋付袴姿でシャウト
*
御仁が
我々のつくった小劇場風の釈台に座り、
物々しく口上を読み上げたり
上棟式のときみたいに紅白餅をばら撒くハレの図を
準備中から長いことワクワクしながら練っていた
彼に似合うのはこれしかない
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東京・西荻窪の地下の店で
いつもTシャツにジーンズの彼氏を見ては
かねがねそうおもっていた15年来の夢の図を、
函館大門で、
しかも、とっくの昔に亡き廣澤虎造との共演 -
*
みなさん、
【 函館大門 ・ 浪曲喫酒 】 無事終了の節、
ご協力大変ありがとうございました
( サクセンカイギ社ウェブサイトに現在、
画像をアップロードまとめ中であります )
またしてもブログ更新が遅れているのは
後片付けや支払いや借り物の返却などの残務と、
その合間に、
それまでの寝不足を補うために寝過ぎているのとの、
ちょうど合作によります
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後片付けをしながら、
IW氏と、Y君と、わたしとはほとんど
事前準備のラスト1週間くらいは
ほとんど寝る時間が取れていなかったとおもうが、
2日間入浴していない、とか
イヤ5日間はゆうに入ってないはずだとか、
まさかせいぜい3日だとか、
そんなはずはない絶対に1週間だとか、
ヤレ汚ねえだとか汚くないとか、
ひとはそもそも洗浄過多であるとか、
などとやりながら現場作業をしつつ、
あまったスルメを炙ったり、
あまったワンカップを開けたりして、
相変わらず飽きもせずにレコードで虎造節に聴き惚れる
・・・ 今まで以上に聴き惚れる
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きのう総合保健センター内にあるジムへ行ったので
久々に身体がよみがえり、
読書に埋没したくなったりして図書館で本も借りまくる
いつもの小さな店に食事にゆくと
外の車に反射する明るい光で本を読んだ
壁の木目に乗ったニスも
低く流れるカントリー&ウェスタンも
すべてが、
なにかこう、輝ける感覚として、
わたしの身体に戻ってきた
今回の企画、【 浪曲喫酒 】 では、
なにかが、自分から落ちたような、またはなにかが、
自分に甦ってきたような心地がする
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いっこうにチケットが売れないまま
あらゆるひとから心配されて本番を迎えたが、
こちらはなんにも心配しなかったし、
なぜか楽しくてニヤニヤと笑いがこみ上げるし、
強い、不思議な手応えを感ずるし、
廣澤虎造を
みなさんとシェアしてみたい、とはいえ、
むしろ浪曲がバカ売れするほうがちょいと残念だし、
じぶんがお客ならひと気のないところで、
ひと気のないものと、じっくり過ごしたいものだし
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さてそんなふうに迎えた初日、
朝いちばん、シャッターの開くのを待って
友の遠方より来たる有り
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「 お久しぶりサチヨさんですね!僕ですよ!
こんな素晴らしい企画をありがとう!! 」
といって
わたしが十代の時分に
知り合ったがその後、数年して亡くなった、
とある大人の女性の旦那様氏が帽子を脱いだ
15年ぶりくらいの邂逅だった
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そのひとは何の迷いもなく、
高座にかぶりつきの桟敷席へ靴を脱いで上がり、
座布団を重ねて足を伸ばし、
好きなように居心地を整えて、
マル2日間ずっと、
そこに居た
「 虎造を!!ブッ通しで聴けるなんて、
こんなの日本中でも初めてじゃありませんか!!
スゴイ!ありがとう本当にありがとうありがとう、
” 千奏万奏の経文より!!
この企画が冥途のみやげ!! ”
ッてなもんです!
イヤァ~嬉しい嬉しい、嬉しいなああ!!
ありがとうありがとう!!
あ僕のことは放ッといてね、
もうただずっと居るからね
酒ちょうだい、それとゴッコ汁 」
*
わたしはこのひと一人のための企画でよいとおもった
このひとが一人、出てきてくれたということは、
潜在的に百人あるということだと勝手におもった
否、このひとがきっと百人なのだとおもった
つづく!!
画像 ; nonoaruha (thanks), Sachiyo
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